
2025.3.23 快晴。
GBサーキット3月の定例レースが始まった。
この日の目玉は、急遽参戦が決まったXRAYの海保菜奈選手だ。
GBキッズの先輩でもあり、全日本ファイナリスト、世界戦出場の、今や日本を代表するRCドライバーの1人である。
「凄い人と一緒に走れる!」
GBをホームに頑張るヒロキ少年、そしてタイト君、アオ君ら若手ドライバーたちの胸は踊る。
海保選手と同じレースで走るのはこれが初めて。
ワクワクとほぼ同時に、プレッシャーと緊張感が我々を包んだのだった。
「当然、勝ちに行きますよ!」
ヒロキ少年は言った。

…
ストック仕様のマシンでのファイナリスト(モディファイド)への挑戦。さあ、どうなる?
予選〜引き出し〜

予選は二駆B7、四駆B74.2共に路面グリップの急激な上昇に悩まされる。
ステアリングを無理に抉るといとも容易くハイサイド(横転)してしまう。
特に四駆ではコース右側のアンジュレーションのある高速コーナーで握れないと言う。
パワーのないストックで握れないのは致命的だ。
解決の鍵はタイヤチョイス(前輪グリップを落とす)と前回から活用しているリバウンドの調整だった。
同時に小まめなタイヤ剥がれのチェックや、ビスの緩みなど、ヒロキのドライバーとしての執念も感じられた。
「クルマは握れる。ベストの状態。あとは自分がやるだけ」
そう言い残して操縦台へ上がる横顔はもうすっかり青年のそれだった。いつの間にこんなに大きくなったのか…
予選はベストを尽くしたが、二駆・四駆共に2位。


TQを逃してしまう。
久しぶりのことだった。
そして、事前練習無しで、いきなりTQが取れる海保選手の力量にただただ舌を巻くのだった。

接戦の決勝戦

決勝は近年稀に見る、というか我が家史上初と言って良い程の超接近戦であった。
2WDオープン
スタートから海保選手とヒロキの2台が抜け出し、そこからはバチバチのタイマンバトル。即ハイサイドの危険性と1mmでも速くコーナーを抜けたい気持ちのせめぎ合いの中、トップを走る海保選手のミスを突いて先頭へ。
そこからの海保選手の怒涛の猛チェック。
ストック故のトップスピードの遅さに後ろから突かれながらも、進路をブロックして前には行かせないヒロキ。海保選手の終始クリーンなレース運びで接触もなく、
まさに技と技のぶつかり合いを楽しむ2人のヤングドライバー。
どうにか逃げ切り2WDオープン優勝を決めた。

4WDオープン
こちらも2WDオープンに続き、海保選手とヒロキとの一騎打ちの展開。
とにかく速くミスがない海保選手。
ストックマシンでビタビタに間合いを詰めるB74.2CEのヒロキ。
「どこで仕掛けるか」
ヒロキが思った刹那、なんと海保選手、ペースを上げた!!
夕暮れ時、路面が下がり、ハイサイドの危険性が下がったからか、急激にスピードを上げて引き離しにかかる。
「全力じゃなかったのか!?」
ついて行くのに精一杯だったというヒロキ。
自分はまだまだだと思ったという。
せめて何処かで仕掛けて前に出ていたら、という後悔。
しかし、初めてのヒリヒリする接近戦。
大いに楽しめたそう。
堂々の2位入賞。

まとめ

帰りの車内。
「自分の意地も見せることができたよ。凄く楽しかった」
曲がりなりにもホームのGB、Team AJジュニアという意地があったヒロキ。
まだまだやるべきことがあるのは、よくわかった。
頑張った自分、よく走ってくれたB7、B74.2CEに満足感もあると言う。
海保選手とも言葉を交わし、
「すっごい楽しかったです!また来ます!」
めっちゃいい人!!!
また、ヤングドライバーたちを鍛えてやっていただきたい。
…そんなワタシは540フレッシュマンに出場。安定の最下位だったが、また少しだけ、少しだけ手ごたえがあったような…
そんな余韻を味わいながらまた日常に戻っていく。
競技バギーは最高なのである。

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