ラジコンファンの皆さまこんにちは。
親子でラジコンを始めて、さらにGBでオフロードレースの世界にハマって思うのは、使い古されたフレーズだけど
「レースは筋書きのないドラマ」ということ。
それぞれの参加者が思いを胸に遠路はるばるエントリー。
楽しくワイワイの方もいれば、自分との戦いだ!昨日の自分より進歩したいんだ!と願う人もいる。長い付き合いの仲間に再会し、和気藹々の中での真剣勝負。
どうしても勝ちたい!ぶっちぎりたい!と勝利の美酒に酔いしれたい人も。
そして、自分自身と誰かの期待に応えたい人も。
それぞれの思いが交差して、ドラマは生まれるのだ。
おじさんたちの朝は早い!
2023.10.22 快晴のGBサーキット。
7時半に会場に着くと既に駐車場はクルマで一杯。ピットも大勢の人でごった返しているではないか。
朝から元気なラジコンおじさんがいっぱい(笑)
80を超えるエントリーに、LCレーシング(流星)さんのブースが設置され、いつもに増して賑やかなGB。
そう、この日はKOC(関東オフロードチャレンジの略。キングオブコントではない。)開幕戦がここ千葉県旭市のGBサーキットで幕を開けた。
我が家の思い
幸いにしていつもの場所にピットを構えたワタシと息子氏。
この日は、三瓶さんにメンテしてもらったLAZER ZX7の復帰戦。
なんなら四駆はアソシのマシン(借り物)でレースに出ようとしていた我が家。
「ZX7で絶対に勝ってやる!」
GOJOに行っている三瓶さんやヨースケさんに報告したい!
そんな思いを胸にレースに臨んだ我が家だった。
二駆はストック、四駆はモデ
この日、二駆はいつものモデではなく、ストック仕様での参加。
「ストックは遅くてつまらないから嫌」などと普段から生意気なクチをきいていた息子氏。
ある方のメッセージを受けてストック出場を決意。
「ストックを侮ってはイケマセン!!そこで得るもの(コーナースピード)はモデの世界でも通用するものです。コーナー、立ち上がり、全ての繋ぎを大事にして、バトルしながらミスなく走ることが重要です!」
これを聞いた息子氏
「じゃあやってみる。もちろん1位を狙うよ!」
急遽、つくパー用に寝かせていたRB7SS(STOCK SPEC)をフル整備。
しかし、モーターこそ定評あるホビーウイングG4なものの、ESCはありもののクイックラン。
ストックはパワーソースが大事と聞くけど大丈夫か?
「そこは腕でしょ、腕(ニヤリ)」
相変わらず憎たらしい小僧め(笑)
四駆は今や使っている人も少ない京商LAZER ZX7。
ユーザーのヌマゾウさんは言う。
「LAZERはイイ子。やればできる子!!」
練習走行を終えた息子氏は言う。
「今までで1番走る。アソシが霞むくらい」
さあ、どうなる?
予選
この日は前日の雨の影響で、朝の予選開始時にはまだグリップが安定せず、日陰のコーナーでスピンするマシンが続出。
タイヤチョイスがカギに。
シルバーやダート用タイヤなど皆様々なタイヤを選んで予選1回目に臨んでいた。
ウェット路面だとカクタスのシルバーコンパウンドが定番だが、息子はドライ用のイエローをチョイス。
「気をつけて走るところは数カ所。あとは乾いている。握れる!」
また、パワー不足はピニオンのチョイスで克服。加速重視のセットがハマった。
二駆ストックは2位以下を1周離してTQを獲得。
四駆もよく走るZX7に助けられ、なんとか逃げ切りTQ。
息子曰く「まだ行けたけど、無理はしなかった!!」
言うようになったものだ。
ゴー氏「俺だってもっと行けるし!!」
崎山氏「俺も俺も!!」
小学生と50代のおじさんが笑い合いながらもガチで真剣勝負。こんなのラジコンくらいしかない。(断言)
思えばこの時が良い気分のピークだった。この後に待ち受ける試練をまだ知らない。
決勝
すっかり暗くなってからの決勝。かなり冷えて来た。
グリップの低下が懸念されるところ。
二駆ストックAメイン決勝
スタート後、最初のテーブルトップ、3連ジャンプで抜かれて4位まで順位を落としてしまう。
しかし、今までなら焦って無理してしまう感じだった息子氏は言う。
「繋ぎを大事にしてバトル。そして展開を待つ」
冷静に走り3番手、2番手をパス。
トップに3秒差まで追い上げだところでタイムアップ。
本人はTQ → WINを描いていただけに悔しい2位だったが、ストックの難しさと面白さを身をもって分かったと言う息子。
「ストックと言っても上(高回転のパワー)がないモデだね!」
パワーに頼れない、サイドバイサイドのデスレース!
関東の猛者21台中2位はよくやったと思う。
四駆モデAメイン決勝
スタート直後、テーブルトップで2位のゴー氏が仕掛ける!
トップに躍り出たゴー氏を追う息子氏。
直後の3連ジャンプ着地点では事故渋滞。
スルスルと抜け出す、ゴー氏、息子氏。
ここからはゴー氏、息子氏、2台のトップ争い。
(この展開何処かで見たような 笑)
冷静にジリジリ詰めていく息子氏。
「展開を待つ。でもチャンスなら仕掛けていく!」
開始3分を過ぎて、ゴー氏がテーブルトップで痛恨のミス。
トップに立つ息子氏。
ビハインド1.2秒の痺れる逃避行。
さらに2位のミスから差が広がり、完全に勝利を確信したラストラップにそれは起きた。
「え?嘘だろ!?」
右前タイヤが外れて壁に突っ込むZX7。
あまりのことに声が出ない。
時間が止まったような刹那
誰かが叫ぶ!
「マーシャル!走れる!出して!」
その傍をパスしていくゴー氏。
マーシャルに助け出され、3輪になりながらも執念のゴールで2位フィニッシュ。
悔し涙を流す息子氏。
まさかの展開に言葉もない。
終わりに
右前タイヤの外れに関しては入念に対策を講じてきたつもりだ。
もしかしたら…と言う点もないことはないが、とにかく外れたことに変わりない。
パパの整備が至らなかった。本当に申し訳ない。
目前の勝利が失われていく瞬間だった。
「良い走りだったよ!」
「実質優勝だよ!」
たくさんの方にあたたかい言葉をかけて頂いた。
しかし、今回ワタシが感動したのはきちんと息子が優勝したゴーさんや、ストックの優勝したウエタケさんに「おめでとうございます!」と祝意と敬意を持つことができたことだ。
きっと今までの彼だったら悔しさに全く周りに気を配る余裕がなかったはずだ。
そして、マシンを1日がかりで組んでくれた
三瓶さんに良い報告がしたい。
小6の少年の痛いくらいの願いに、そして痺れるくらいよく走ってくれたZX7に。
消化しきれない思いを乗せて次につなげたい。
この日もたくさんの人にお世話になり、良い時間を過ごすことができた。
参加された皆様、運営の皆様、お疲れ様でした。
ありがとうございました。