タミヤ オフロード

【コラム】初心者親子、ハイエンドバギーを知る【衝撃】

ラジコンファンの皆さまこんにちは。

今日はラジコン初めて1年ちょいの親子が、いわゆるハイエンドバギーに出会った話であります。

タミヤのオフロードバギーは楽しい!

我が家もTT02Bに始まり、DB01、DT03、グラスホッパーとハマりにハマって楽しんでいる。

しかし、もっとガンガンサーキットを走らせたい!

ハードに走らせても壊れないマシンが欲しい!

などと思ったことはないだろうか?

特にビッグジャンプを華麗に決めて楽しみたい!とか、

もっと速さを!スピードを!と思ったことはないだろうか?

あるいは、本格的にレースをやってみたいと思ったことは?

もちろんタミヤでも速いモーターを入れて、リポバッテリーにして、ガンガン速くすることは可能!

でも、まあ遅かれ早かれ、速さや衝撃に耐えきれず何処かが壊れたりするのはやった人なら分かるハズ。

それが楽しかったりもするのだけど・・・

※ TT02Bの泣きどころはスパーギヤの破損。ピニオンもアルミ製は直ぐに減ってしまう。
※激しいジャンプに耐えられず、ステアリングラックの根元から逝ってしまう。こうなるとシャーシごと交換になる。(TT02B)
壊れやすい箇所をオプションパーツに交換して行くと凄い金額になることも。(楽しいけど)

ハイエンドバギーの世界

ラジコン、そしてオフロードバギーのカテゴリの中に、競技バギーという世界が存在することをご存知だろうか。

タミヤのRCカーに出会って、寝ても覚めてもラジコンという生活モードになって1年。

走らせる場所を求めて公園、空き地へ。

それでは飽き足らずサーキットへ。

ホームコースと呼ばれる場所に出会い、さらに通い詰める。

自慢のタミヤバギーを走らせるのは言うまでもなく凄い楽しい。

そこに異論はない。

タミヤバギークラス(540クラス)でレースにデビュー。

大勢で走らせる楽しさ、人と競い合う楽しさを知った。

大人たちに混じって表彰台に登る快感も。

そんな時に出会ったのが競技バギー、別称ハイエンドバギーである。

ハイエンドと聞くと、オーディオやカメラなんかを思い浮かべるが、意味合い的には同じであるものの、競技に特化しているものをそう呼ぶ。

高価な素材、精緻な造り、タフな走りなど、最高級という意味もある。

※国産ハイエンドの雄、ヨコモ・マスターオフロード2.0
※オフロードバギー界の王様、アソシエイテッドB7
※タミヤにもかつてハイエンドバギーが存在した。今では入手困難なTRF501X。その血統は現在も流通するDB01に受け継がれている。
ダートサーキットを激走するアソシエイテッドB5M。筆者の息子操縦による。

たまたま訪れたオフロードサーキットで見たハイエンドバギーのレース。

タミヤバギーとは別次元の狂ったようなスピードで複合ジャンプのあるコースを激走するバギーたち。

3連ジャンプを飛ぶ京商ZX7。

生き物のようにジャンプし、凸凹の路面を舐めるようにいなすしなやかな足回り。

ギュアッギュアッと獣のようなギヤノイズを発しながら爆走していく。さながら地上の戦闘機だ。

一度その走る姿を目に焼き付けたら、なかなか忘れられない。

ハイエンドとタミヤは何が違う?

ざっくり言うと、全てがサーキット(ダートコースまたはカーペットコース)での競技の為に特化した造りになっている。

例を挙げると、

タミヤが樹脂製のシャーシなのに対して、ハイエンドバギーは金属製シャーシを備え、

ハードなジャンプに耐えられるようにサスアームまわりの頑丈な造りや、ダンパーステーなども分厚く、素材も樹脂の他、アルミやカーボンなどでできていることが多い。

ダンパーもアルミ製の大容量のもの(エアレーションダンパー)が標準。

サーボセイバーはなく、ダイレクトにサーボを駆動させる。

モーターはブラシレスモーター。

クラス(ストッククラス・モディファイドクラス)によってターン数(モーターの速さ)が異なる。

また、スリッパークラッチやセンターデフなど、大パワーやジャンプの衝撃からギヤ等を保護する仕組みが最初から備わっている。

タミヤ車はほとんどの場合、ハイパワーモーターや大きなジャンプで駆動系がやられてしまう。

※DB01、TD2.4などにはスリッパークラッチのオプションがある。

タイヤもタミヤのブロックタイヤにパターンは似ているがゴムの柔らかさが全く違う。(タイヤは路面のタイプに合わせて種類がある)

また、メンテナンスや定期的なパーツ交換を前提に作られており、構造はシンプルでタフ。

ちなみに、お分かりとは思うが、

タミヤ車にオプションパーツをどんなに投入しても、ハイエンドバギーにはならない。

何故なら、そもそもの設計、想定した用途が違うから。

タミヤバギーがダメなのではない。

公園や広場、フラットダートなどを想定して、初心者、初級者がぶつけることを考え、かつ、なるべく安価に作られたマシンは、そもそもサーキットでの競技を想定していない。

ハイエンドバギーとタミバギーは似て非なるモノ。

住む場所、泳ぐ海域が違う。(これを理解するまでワタシ自身も時間がかかった)

もちろんだが、タミヤでサーキットを走れないワケではないし、レースができないわけではない。

筆者にもタミヤをチューニングしてハイエンドと戦ってやる!とか妄想していた時期もあった。

ならばハイエンドバギーとやらを手に入れたいぞ!

出会ってしまったハイエンドバギーという世界。

真っ先に反応したのは、小3(当時)の息子だった。

怖いモノ知らずの子どもだから言える、

「やりたいやりたい!」

・・・・.。

早速GBサーキット代表に聞いて目玉が飛び出す。

アメリカの名門、アソシエイテッド社の四駆バギー、B74.1(写真はカーペット路面用)

キットだけで、ろ、6万超え!

これにモーター、ESC、受信機、バッテリー、タイヤが必要になる。軽く10万は超えていく・・・・・

もちろんプロポ(送信機)もファインスペックというワケにはいかない。

無理じゃ。ウチには無理。

やっぱり庶民には無理な高貴な趣味なのか。

ここは考え方次第。スポーツでもなんでも競技となるとお金がかかるのは同じ。

最高峰のモノが十万円から手に入る、というのは考え方によってはリーズナブルとも考えられる。

もしお子さんがタミヤのレースなどで既にそれなりの結果を出して、どうやら才能があるかも!とお思いなら、迷わずハイエンド、行きましょう!(今ならそう言えます)

中古の京商ZX7を手に入れる。

我が家には無理か、と諦めていたある日。

詳細な経緯は別記事を参照願いたいが、タミヤバギーでレースに出ていたところ、幸運にも京商のレーザーZX7を安価に譲って貰えることになった。

京商レーザーZX7。京商のハイエンド4WDバギー。数年前のモデルになるが、国内外のレースシーンで実績のあるレーシングバギーだ。その性能は秋元選手らトップドライバーによって証明されている。

今回は、シャーシだけ、ではなく、モーター、ESC、タイヤ付きで譲っていただき、あとはサーボ、受信機を揃えて配線すれば走らせることができる。予備パーツもついていて、なんでこんなにサスアームがあるのか、その理由は後から知ることになる。

とにかく、超絶凄いヤツを譲り受けてしまった。

配線、全部自分でやれ!

タミヤのRCカーしか触れたことがないワタクシ。

シャーシを手に取って驚いた。

金属の冷たさとブラスト処理され、艶消しの硬い樹脂。ミシリトモシナイ頑丈な造り。分厚いカーボンのサスマウント。太くて逞しいダンパー。

とにかくタミヤとは違うのだよ、タミヤとは!

を手のひらや指先で感じられる。

今まで、サーボやESCなどの、いわゆるメカ積みに困ったことはなかった。

全て接続する端子が最初からついていたから。

面食らったのが、ESCからバッテリーのコードと端子、ESCからモーターへの配線が自分で半田付けしなくてはならないこと。それぞれのケーブルの取り回しも自分で考えなくてはいけないこと。

半田付けは中学校の技術の授業以来だ。

バッテリーはショートリポと呼ばれるタイプで、いつもの長いバッテリーは積めないこと。そのバッテリーを充電するには専用のケーブルが必要なこと。

ハイテック製ショートリポ。3800という数字が容量になる

また充電の際はリポバッグが必要になる。

幸い、GBサーキットにはベテランの方がたくさんいて、親切に教えてくれるので、勇気を持って尋ねればほとんどのことは教えて貰える。

そういう意味では、人間関係づくりも重要なのが、ハイエンドバギーの世界であると言えるかもしれない。

言い換えれば、知識がないうちはボッチラジコンはやめた方が良い。

何故なら、ハイエンドバギーのアレコレについてはネット上にも情報はそう多くない。

非常にアナログだが、人から人へノウハウが伝えられる、という側面がある世界である。

タミヤは実にたくさんの情報を得ることができるのとは対照的だ。(検索してみれば分かる)

走らせて衝撃を喰らう

苦労の末にメカ積みを終えて、動くようにはなった。

で、早速走らせてみたくなりサーキットに持ち込む。いきなりジャンプはできないので、タミヤバギーを走らせていたコースを走らせて驚いた!

無茶苦茶走らせやすい。

今まではなんだったの?と言うくらい、、いつものコースがイージーに感じられる。

具体的には、意のままによく曲がり、コントロールができ、スピードを上げてもタイヤが路面を離さない。しなやかに路面をいなしながら、ボディはフラットなままだ。コーナーでのガッチリしたスタビリティに驚いた。

ステアリングを切れば瞬時に向きを変え、自分が上手くなったと錯覚する。

やってみたくてウズウズしている息子に操縦させる。

「コレ凄い!!」

分かったことは、タイヤのグリップが同等だとして、タミヤバギーの方がよっぽど操縦が難しい、と言うこと。

ハイエンドだから、上級者しか扱えないのではなく、めちゃくちゃ走らせやすいのがハイエンドバギーなのだ、と言うことを知りビックリだ。

大事なことは二度と言う。

ハイエンドバギーの方がタミヤバギーより遥かに走らせやすい!(クドイようだけど、タミヤがダメなわけではない)

何故ならサーキットをハイスピードで走らせることを前提として作られているので、タミヤの速度域では何の破綻も起こらないのだ。

もちろん、ハイエンドバギーを全開で走らせるのは超絶難しいのは、すぐに思い知ることになるのだが。

こうして我が家は、ハイエンドバギーでレースに出るようになって行くのであった。

その楽しくも苦難の道程は当ブログのキッズレーサー関連の記事を参照されたし。

結果的に安上がり

タミヤ、ハイエンド、両方経験して言えるのは、レース、競技を楽しむなら、ハイエンドの方が結果的に安上がりである、という事実。

ジャンプなどで毎回同じパーツが破損して交換、となるなら最初から壊れない、壊れにくいものの方が良いし、ハードな練習を重ねていくなら、尚更である。

せっかくの休日に遠方のサーキットまで出掛けて、壊れたからもう走れない、ではあまりにもやりきれない。

タミヤやビンテージは、そのスピード域をグッと下げて壊れないスピードで走らせる分には充分楽しいし、最近はそういうユルラジもブームだ。

しかし、ハイスピードな領域を求めるなら、潔くハイエンド、今ならいきなりハイエンドではなく、ミドルエンドというジャンルから始めるのもおススメだ。

競技バギー、ハイエンドバギーに興味がある、やってみたい!という方は是非、千葉県旭市のGBサーキットまで(^^)

あるいはお近くのオフロードサーキットへ行ってみてはいかがだろうか。