
今年で4回目となるホビーウイングカップ オフロードが茨城県のつくばRCパークで開催された。
ホビーウイングやサンパドウなどのRCユーザーにはおなじみのブランドを扱うセキドが主催するレースイベント。
2022~2023はGBサーキット、2024はバンブーサーキット、今回がつくばと現在のところ、関東のRCバギーのサーキットを会場に行われている。基本的に競技バギーユーザーを対象としたビッグレースなのだが、毎年2in1などハードな競技ユーザー以外のユーザーでも楽しめる工夫がなされていた。

今回の目新しいところとしては、インビテーショナルクラスが新設され、いわゆる各メーカーのサポートドライバーやエキスパート・プライベーターが通常のストッククラスから分けられることになった。(通常クラスは上位を狙えるチャンスが増えたともいえる)
インビテーショナルの目玉は、ホビーウイングのサポートドライバー、會野 由偉選手(無限精機)海保 菜奈選手(XRAY)など全日本クラスの選手も参戦することだ。もちろん、地元つくばRCパークのエキスパートドライバーも参戦するため、かなりのハイレベルな戦いが予想された。
参加者95エントリー、およそ70名とかなりの賑わい。
我が家はTeamAJサポートドライバー(ジュニア)として、インビテーショナルクラスに参戦することに。
約一か月、つくばに通って練習を重ねてきた。
まず、結果から。
結果的には2WDインビテーショナル 3位、4WDインビテーショナル 3位と表彰台には残れたので、猛者の中での健闘は良しとしたいところだが、なかなかにしんどい一日だった。

予選が始まると
・2WDは周囲のスピードに全くついていけない
・4WDは駆動系からのけたたましい異音でスタートできず。
と波乱の幕開け。
2WD遅い問題については、練習時から薄々は気づいていた。
いわゆる地元エキスパートのラップタイムはどうがんばっても出なかったからだ。
(新品タイヤ投入で肉薄することはできたが更新はできなかった)
言い訳をするわけではないが、
ラップタイムはともかくとしてコーナーでの切り返しなど足回りの煮詰めは十分にできていたと自負できる。つまり、コーナーでは速いがストレートで追いつかれるパターン。
そこは腕でなんとかできるだろうと踏んでいた。
しかし、予選は残酷。まさかの最下位に沈んだ。トップとのタイム差が1ラップ平均0.8秒。これはもうどうしようもない。
結論から言うとモーターパワーを引き出す充放電などのノウハウ、デフその他諸々を突き詰めていなかったのだと思っている。(そもそも練習ではそこまで追い込んだバッテリーで走っていないことも多いという)
明らかに周囲のマシンよりストレートが遅く、歯がゆい思いをした息子。
バッテリーの高電圧充放電などやったことのない我々にはなかなか手を出しにくい領域だったが、毒を食らわば皿まで。勝ちたいならそのノウハウも習得すべきだったのだと痛感する(ちょっとだけそういうのに拒否反応があるのは事実)
4WDについてはモーターのぐらつきは前日から確認できており、何らかの対策はできたはずだが、大丈夫だろうとやらなかった。完全にメカのミスである。
原因はモーターケースを固定する長いビスが緩んで、モーターが首を振っていたことだった。気をつけたい。
予選一回目を気持ちよく走れなかったことでリズムをつかめなかったことは大きい。
何より辛かったのはピットの雰囲気である。

こんなにも重苦しく、そしてドス黒い疲労感に覆われるのか。まさに絶望である。
この感覚はレースを始めた頃、GBのレースで味わってきたものだ。
「こんなのいくらやっても勝てっこないよ」
泣きながら息子氏は言っていた。私も当時は同じ気持ちだった。
見通しが立たないことに人は絶望するものなのだ。
口惜しさと不機嫌を隠さないドライバーである息子。
私までが雰囲気に流されることなく、今できることで少しでも事態を改善しよう、なんとか気分を切り替えようともがいていた。
「クルマが遅すぎる。話にならない」
吐き捨てるように息子は言った。
「そんなことは見ればわかる。なら辞めるか?帰るか?レースってそんなものか?」
一触即発のピリついたピット。
周囲の同じように親子で参戦しているピットでは似たような会話が聞こえてくる。
成績が良ければ明るく、そうでなければまるでお通夜のように。一喜一憂は我が家だけではないのだ。
・・・・
2駆はギヤ比を見直し(トップスピードを捨ててさらに加速重視のローギヤードに)、バッテリーもGB崎山監督のリモートヘルプによって使ったことのない高電圧で追い充電してみた(結構怖いw)

気を取り直して臨んだ2WD決勝。
スタート直後の1コーナーでクラッシュ発生。その隙をついて最後尾から3位にジャンプアップ!
キタ、コレ!!!
神様はいる!!絶対にいる!!
1位、2位(タケル君、ナナ選手)にはどうあがいてもクルマの速さでは追いつかない。
しかし、後ろから来るクルマを前に行かせなければ3位は守れる。
予選最下位からの表彰台。ありえる。ありえるぞ!

最初はヨコモのタクト選手。地元つくパーのエキスパートだ。
当然だがクルマは断然うちより速い。
抑えろ。抑えるんだ!
バチバチのサイドバイサイド。ストレート手前のコーナーで耐えきれずタクト選手が転倒、
その直後、クラッシュで下位から追い上げてきた、無限精機ユイ選手が迫る。
全日本チャンピオン、キター!!(以前AJのチームメイトだった)
同じストックとは思えない恐るべき速さでぴったり後ろについて右に左に揺さぶりをかけてくる。

だがしかし、全日本でも発揮したヒロキの鉄壁ディフェンスは健在だった。
何とか守り切り3位フィニッシュ。
3回目のホビーウイングカップでようやく表彰台に上った。
しかしながら、やはり我々は身の程をわきまえず、勝ちにきたはずなのだ。これで満足してはいけないと思ってしまう。それでも今だけは絶望からの逆転を素直に喜びたい。
そして
タケル君、優勝おめでとう!

4WD
予選2回目を走行し、5番グリッドからスタート。

四駆については別段ほかのクルマより遅いわけではないはずだ(と思いたい)この予選もベストの13秒台を連発しながらのこのグリッド。
なんとチームメイトのタイト君は3番グリッドにつけている!!
みんな恐るべき速さなのだ。(もはやモデとなんら変わらない速さ)
決勝はやはりスタート直後にテーブルトップでクラッシュが発生。
その隙をついてまたもや3番グリッドに浮上。
(神様はいるw)

今度こそトップ争いに加わりたい・・・・
しかし1位、2位(大津選手、タクト選手)のクルマが速すぎる・・
それでも懸命にベストラップを更新しながら後続を振り切って走り切り3位フィニッシュ。

タクトくん、優勝おめでとう!!

四駆は勝つつもりで来た息子氏はそれでも不服そうだったが、
いまのクルマのセット、詰め方ではこれが限界だとも分かったという。
「速くなるために、勝つためにもっとやれることはある」
そのことが分かっただけでも参戦した意味があったと思うのだ。(なんてな!!!)
今回もレース中、息子は崎山監督とスマホでやり取りしていたようだ。
私以外のブレインがいることの大切さをかみしめていた。
(すごくどうでもいい能天気なアドバイスが来たと憤慨していたがw)
私は応援に来ていた、今や世界の加藤航輝選手のパパDK氏に話を聞いてもらったり、魔鏡サイタマからの友人に愚痴を聞いてもらって持ち直した。
「いいじゃん、3位は3位!!」
「腕はあるんだから後はクルマでしょ」
私の不甲斐なさで勝たせてやれない、という思いも、誰かと話しことで分かち合えるのだと思った。ありがたいことだ。

レース終了後はキッズレーサー友の会のみんなでラーメンミーティング。(大人はニラレバ率高いw)
パパ同士はお互いの労をねぎらい子どもたちの健闘を称え合った。

ホビーウイングカップ オフロードは初回の2022、2023と参加させていただき、今回が3回目の参加である。
セキド秋元さんをはじめ、ラジコンを盛り上げようと開催された素晴らしいイベント。レーサーたちには自分の腕を試す素晴らしい機会となった。また、今回も豪華景品を気前よく放出!!レースの結果はどうあれ大満足で家路についたのだった。
(我が家はピットマットと最新型のESCプログラマーをゲット。ありがとうございます)
参加された皆様、運営の皆さま本当にお疲れさまでした。

