子どもの適応能力は凄い!
タミチャレ、というRCカーのレースに参加している初心者親子の話である。
ラジコンを始めたのが2020年の5月。
初めてエントリーしたのがGBサーキットで行われた8月のレースだったと記憶している。つまり僅か3か月でレースに挑んだことになる。
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最初に手に入れたラジコンは、友人に譲って貰ったタミヤのJB23ジムニー(MF01Xシャーシ)だった。
はじめは空き地で走らせていて、その楽しさにハマり、もっと思いっきり走らせたい!とサーキットに連れていった。(谷田部アリーナ※当時)
小3の息子。最初はおっかなびっくり走らせていたが、周りの人を見様見真似でラインをなぞりながら走り出した。
当時はオンロードもオフロードも知らない状態で、タイヤもラリーブロック(もちろん泥汚れなどは落としてあります)。初めてのカーペット路面。
ストレートでは全開に。コーナーはラインをなぞって素早く抜ける。うまい人のまねをし始める息子。
速い人は先に行かせ・・・・・がなかなかできない。放っておいてもうまい人は綺麗に抜いてくれるのだが、いかんせん、息子が進路妨害っぽくなってしまう。譲るのも実は難しいと自分が走らせて知る。
一方で自分はといえば、ストレートではフラフラ真っ直ぐに走れないし、カーブではすぐにスピン。壁やフェンスにぶつけまくる。空き地ではあんなに楽しく走れたのに。
おかしい。そんなはずはない。ラジコンって難しいなあ、と初心者の自分は思っていた。(大人の反射神経、視力の衰えは自分が思ってる以上に来てます・・・・)
しかし、なかなか上達しない自分を尻目にスイスイと走らせる息子。なんなんだ?
息子(当時小学3年生)は気がつけば常連の人に合わせて走っているではないか。
だが、MF-01Xのジムニーはストレートでスピードが遅すぎる。コーナーでもすぐに転ぶ。それでも果敢に攻め続ける息子。
聞けば、興奮で上気した顔で
「凄く楽しい」という。
バッテリーが無くなると早く替えろとせっつく。
普段は言葉少なにあまりベラベラ喋るタイプではないが、クルマのこととラジコンのことはよく話す。
そんなに楽しいか。
夢中でプロポを握る横顔。ゲームでもこんなに熱心にはやらない。
息子がどうやらラジコンを走らせることにハマったらしいことは分かったが、何より自分が全く走れないことの方がショックだったのは言うまでもない。
あくまで自分がラジコンを楽しみたいという気持ちが強かった。この頃までは。
ふと思った。
マシンだ。
転ばない、もっと速いマシンが欲しい!!
・・・・.
息子の方が上手いから息子を走らせてパパは見守る・・・か?
自宅に帰りネットを徘徊。
タミチャレと言うレースがあるという。
タミヤ・チャレンジカップと言うのが正式名称で、全国各地のラジコンショップが主催するレース。
年間3〜5戦行われ、上位者にはポイントが付き、代表権を得た人が静岡で行われるグランプリ大会に出られる。なんとも夢のある話じゃないか。
息子に練習させて、レースに出ると言うのはどうだろう。もちろん本人がやりたければだけど。
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息子に聞いてみると「やってみたい」という。
ゲームでもグランツーリスモなどのレースゲームばかりを好む息子。
早速、入門機であるTT02購入。
早速組み立てたTT02を谷田部アリーナのスポーツコースに持ち込み練習。この当時は近くに走らせる場所がなく、遠くてもここしかない、と思っていた。
初めて組み立てたTT02。ノーマル540モーターにニッカドバッテリー。
今にして思えば、ちゃんと組めてたかも怪しい。
が、
周りの大人に混じってぶつけずに走れている。
コーナーは互角だが、直線でおいて行かれる。まだこのころはギヤ比がどうとか、モーターがどうということすら知らなかった(とにかくラジコンは覚えることが多い)
すでに自分の腕を上達させるより、息子に走らせてメカニックに徹する方が良いと思うようになっていた。自分もマシンを持っていたが、走らせようとすると、すぐ不具合やバッテリー切れでマシンを息子が持ってくる。
だから自分が走らせる時間はあまりなかったと言うのもある。
デビュー戦は苦い思い出
話を初参加に戻すと、20年の8月末。
タミチャレGTクラスに出る、と決め、TT02シャシに15.5ターンのブラシレスモーター、TBLE02Sアンプ、ハイスピードギヤに27Tピニオン 。そしてミディアムナローレーシングラジアルタイヤ。速そうなGTボディ。全てタミヤ製。
※使用可能ボディはレース主催ショップで異なる。
何も分からないまま、レギュレーション上に必要なモノを揃えて、いそいそとGBサーキットへ。
ふと気づいたのは、専用のバッテリーを買うのを忘れていたこと。
GTクラスにはLF2200というバッテリーも必要なのだ。
タミチャレGT仕様にするのにもかなりの出費だったのにまだ必要なのか!!(かなり高価)
とは言えそれがないと出られないので、GBサーキットの方に事情を話すと、快くバッテリーを貸していただけることに。
さらに、マイポンダーと言われる、タイム計測用の装置が必要と言われ、その場で購入。
なんと10000円!!
金銭感覚が麻痺してたので迷わず購入。やれやれである。
初めてのレース
ピットでバッテリーを準備し,新調したタイヤを嵌める。周りのエキスパートな方たちのピットはなんであんなに綺麗に整頓されているのか、などと眺める余裕もなく、気持ちだけが焦る。
練習走行をしてみるとどうも様子がおかしい。
周りのマシンについていけない・・・・
コーナーでヨレる。滑る。
グリップが安定しない?
小学生の息子が大人に混じって走ってるから仕方ないか、とその時は思っていたのだが・・・
息子に聞くとリヤが滑ってまともに走らないと言う。タイヤが新品だからか?
マシンを見ても原因は分からず。タイヤもまだ新品だ。※この時点でタイヤの接着剥がれに気づいていれば・・・
そしてこの当時の自分はまだ周りに助けを求めることができなかった。
送信機トラブルからのリタイア
とにかく走ってみるしかない。何事も練習だ。
予選が始まる。
息子は滑るマシンを必死に立て直しながら走らせる。明らかに周りのマシンにはついていけない。
そうこうしているうちにマシンがコース上に止まってしまう。
サーキットの方が見てくれると、送信機、あるいは受信機に問題がありそうだとのこと。Amazonで買った謎のプロポセット。今まで特に問題はなかったが・・・
懸命な応急処置も虚しく、マシンは動かない。
そこで、偶然クルマに積んでいたバギーの送信機、受信機を移植。程なくマシンは動き出した。
予選2回目。予選2回のトータルで決勝の組とグリッドが決まる。
この時身代わりになってくれたのが、タミヤのファインスペックと言う初心者向けプロポ。
これが全くレースには向いていないらしく(のちのち分かるが)息子が半泣きで走らせているのがわかる。レスポンスが遅く曲がらないと嘆く息子。
やはりマシンは遅く、コーナーはズルズル。
結局リヤタイヤがホイールから剥がれてリタイア。
タイヤの接着が杜撰だったのだ。
ここでついに息子泣き出す。
泣き止むが、もう走らないと譲らない。
決勝を待たずに帰途につくことに。
全ては準備不足、調査不足
敗因は明らかだ。焦ってレースに出ることを優先したため、下調べ、準備、練習が不足していたのだ。
マシンも、タミチャレ仕様に組んでから一度も走らせていなかった。
あり合わせのマシンを組んで、何の準備もしないでレースに出る。暴挙だ。
正直に言えば、ラジコンだからという軽く見ていた気持ちがあったのは間違いない。
こんな状況でレースの舞台に立たされてしまった息子には本当に申し訳ないことをした。
しかし、今なら言える。これは間違いなく小さなモータースポーツである。レースに出るということはチームオーナーになることだ。それ相応の準備、覚悟が必要なのだ。
もちろん、一台でも前に行きたい、る勝ちたいからである。
まとめ
- レースに出るなら下調べ、準備は万全に
- 分からないことは素直に詳しい人に聞く、教えてもらう。
- タイヤはしっかり接着する。
- レースをやるなら、ちゃんとしたメーカーのプロポと受信機を買うこと。
次回、タミチャレ続編