エンジンバギー

2022けんちゃんサーキットR3レースレポート【親子ラジ】

ラジコンファンの皆さんこんにちは。

外で過ごすのが気持ち良い季節になってきましたね。(花粉はアレですが)

今日は先日初参加したけんちゃんサーキット第3戦の模様について、であります。

小学生レーサーとポンコツメカニックがエンジンバギーのレースに初挑戦。どんなことが待ち受けているのか?!

なんと世界チャンプ参戦?!

3月13日。快晴に恵まれたけんちゃんサーキット。7時半くらいに着くと、もうクルマがいっぱい。

ヒカル君親子、コーチA氏に挨拶すると、

いわゆるローカルレースなのに、今日は参加者が凄いとの話題で持ちきり。

※世界の原選手のピット

競技ラジコンを志す人なら知らない人はいない、世界チャンピオン原篤志選手を筆頭に、ワークス選手が多数参加しているという。

※活況のピットエリア

初めて参加する我が家にとっては、「よりによって凄い日に初参加」になってしまった。しかし、期せずトップレベルの走りを間近で見ることができるまたとないチャンスになった。

※原選手の隣にちゃっかりマシンを置く(笑)

小学生の息子にとってはみんな知らない人なのだが、原選手だけはYouTube(RADIOGAGA)で見たことがある!と言っていた。

アイドリングしない!

※ちょっとしたアウトドアな雰囲気も楽しめる

初めてのピットはヒカル君親子の隣りに広げた。

前回練習時に破損したままだったフロントバルクのスタビ受け周辺パーツをコーチA氏に修理してもらう。

受付を済ませて、さあ練習走行だ、と燃料を入れ、エンジンに火を入れる。

まずスターターが回らず焦る。スイッチが入っていないことを教えてもらい解決。

次にエンジンがかからない。プラグヒーターの充電がなかった。痛恨のミス。

ヒカルパパのご厚意で充電までしていただく。(電源がない場所だったので、クルマのバッテリーから!)

さあ、いよいよだ!

ぶぶぶーん、プス・・・・

掛かるけどアイドリングしない・・・

ヒカルパパ氏が色々燃調などを調整するも解決せず。エアクリーナー、プラグは大丈夫。

と、そこにとおりかかった参加者の方が、マフラーからの排気漏れを指摘して下さり、パーツ交換により解決!(パーツはK田さんにいただいた。感謝であります。)

※マフラーガスケットを交換するヒカルパパ氏。

無事エンジンはアイドリングするようになった!

練習走行〜予選

※レース用ボディはA氏がペインターに発注したとっておきのやつ。

練習走行を開始。

タイヤは前回の練習で履いていた、MEGABITEと言う銘柄をチョイス。

順調に周回。コースはかなり乾いている模様、

しかし、ジャンプに失敗し、裏の竹林奥に落ちてしまう。

タイヤが食わず、狙っていたラインを外したことが分かった。

タイヤは種類の異なる数セットを持参していたが、息子もワタシもどのタイヤが良いかよくわかっていなかったし、路面の状態でタイヤを替えることについて、周りに聞くことすら忘れていた。

予選は5分が2回。

予選は開始前3分でポンダーチェックと軽い練習走行。給油後、スタートとなる。

ちなみに一周は約30秒で回るそうだ。

1回目はベストラップは31秒台。が、細かなミスや転倒が目立つ。

2回目もペースは変わらないが、エンストで周回数を減らして最下位となる。この、エンストが実はこの日の運命を握っていたことを後から知ることになる。

予選を終えて昼食。

息子はストレートエンドでブレーキングした時にストールしたことが気になると言う。

A氏、ヒカルパパに相談。

プラグがかぶっているのかも知れない、と燃調をもう一度調整して様子見することに。

タイヤは雰囲気で、もっと食いつきそうなヤツに交換。どう出るか?

Cメイン決勝前、世界の原選手現る!

決勝はCメイン最後尾7番からスタート。

決勝前の練習走行。中ストレートエンドでまたストール・・・

「燃調じゃないなら何だ?」

スタート前、ピットでウチのMBX 7Rに人だかりができる。

まもなく決勝スタートとと言う緊張感の中、困っている我々を全力で助けようとする雰囲気があった。

エンジンは掛かるが、煽っていないとストール・・・

そんな時だった。

マーシャルをしていた原選手が走って来る!

マシンを手に取り調べると、

「フライホイールとクラッチベルが一緒に回ってますね。クラッチが何らかのトラブルで固着してます。」

と診断。さすが無限精機のワークスも務めていたチャンピオンだ。

なんと、クラッチだったのか・・・

減速してもクラッチが切れず、ストールしていたのだ。

原選手は燃調を調整し、

「今やってる時間ないので、お父さん、このままいきましょう!」

さらに操縦台の息子に話かける。

「エンジン、止まったら終わりだから、とにかくひっくり返っても煽って!全開じゃなくても大丈夫。これでいくしかない。頑張れ!」

うなずく息子。

さあ、初レース、初決勝はクラッチが切れないと言うハンデを背負ってのスタートだ。

気迫の走り!

Cメイン決勝スタート!

なんと決勝は20分の長丁場。給油タイミングなどの戦略性が必要となる。

勢いよく走り出す7台のマシンたち。

操縦台の下のピットレーンでレースの行方を見るが、初めてのレースの迫力に圧倒される。

最後尾からのスタート。失うモノはない!

行け!ヒロキ!

減速しすぎるとストールする危険性があることを意識してか、かなり激しい走りでコースを攻める。

気がつけば順位を3位まで上げていた。

「小学生のヒロキ、3位です!」

A氏のMCで湧く場内。

2位でゴールできればBメイン勝ち上がりができる。

MCは経過時間を刻々とアナウンス。給油時間の目安になる。

大体MAXで9分くらい走れるらしく、給油タイミングが重要になる。

そして、給油の為にピットイン。

予定より30秒以上早い。初めての給油に手間取るがなんとか送り出す。(給油ボトルにいちいちゴムキャップつけていた)

なんだ、このドキドキは!

そして、自分のピットにはアガマワークスのヒカル君がそばについてくれて、助けてくれる。本当に心強い。

ドライバーと一緒に戦っている一体感はEPでは味わえないものだ。

ついに前方のマシンを捉え、2位に浮上!トップはK田氏。

MCが叫ぶ。

「ひろき、2位!!ファステストラップもここで更新!」

タイヤチョイスも良かったようだ。

その後も転倒もストールもなくレースは進む。しかし、13分前に2回目のピットに入ってしまう。

これではもう一回給油に入らないと持たないかも知れない・・・

順位は依然2位。

良いペースだ。行け!行け!

残り五分を切った。

ホームストレート手前の4連を超えた時、

息子のMBX 7Rが悲鳴を上げた。

「パアアアアン」

吹け切ってクラッチが繋がっていない。丁度原選手の前で止まってしまう。

原選手が首を振りエンジンを止めた。

後で確認すると、クラッチベアリングが粉砕し、動力が伝わらなくなっていた。

我々親子のエンジンバギー初レースは終わった。

息子はレースが終わるまで操縦台から降りて来なかった。

レースを終えて

「僕、ラジコン上手だね。良い走りだったよ!」

悔しくて涙を流す息子に声をかけるチャンピオン。

「最後まで諦めないで凄く良かったよ!次は完走目指そう!」

ラジコンを始めたばかりの頃には考えられなかった光景に目を疑う。

チャンピオン原選手の人柄にすっかり大ファンになったのは言うまでもない。

その後も、たくさんの方々に

「速かったね!上手だったよ!」

と暖かい言葉をかけていただき、やはり出て良かったと思った。

我が家のこの日のチャレンジは終わったが、Bメイン、Aメインを見なくては!

圧巻のエンジンバギーレース!

Bメイン決勝では、我らがGB代表崎山氏がウチと同じMBX7Rで約20年ぶりのGPバギーレースを戦った。忙しい仕事の合間を縫っての出場。

マシンには色々不具合もあったそうだが、さすが手練れの走り。

ガス欠などありつつ、古いマシンでも、ここまで走れることを見せていただいた。

またこちらもお世話になっているK田さんも、Cメインから勝ち上がり、なんと合わせて40分の激闘。最後、プロポの電池が切れると言うトラブルも普段の温和な彼からは想像出来ない、アグレッシブな走りに魅了されたのは言うまでもない。

そしてメインイベントのAメイン決勝。

決勝は30分もある。

ワタシはマーシャルとして放送席下にスタンバイ。ここはあまりマシン来ないと言われていたが、実際はかなり出動した(笑)

息子はすぐに泣き止み、原選手をはじめ、全日本レベルの熱い戦いを間近に見ることができた。

我らがコーチA氏もMCをこなしつつ、見事にAメイン6番からのスタート!

クレバーな走りで総合7位フィニッシュ。

やはりAメイン。息もつけないくらい見どころは幾つもあった。

GBキッズの星、アガマワークス・ヒカル君は世界の原選手に次ぐ2位につけながら、エンジントラブルで惜しくもリタイア。

トップ独走の原選手のマシン。やはりまとっているオーラからして違う。速い!

高島選手とのバチバチのバトルは胸熱!

2回のエンジンストールもあったが、その後の猛プッシュで見事一位ゴール。

ゴール後、2位の高島選手と熱い握手、互いの健闘を讃えあっていた。

まとめ

「エンジンバギー、やりましょう!」というお誘いから、いきなりレースという急展開となった。

レースに出た!というよりはたくさんの方に支えられてレースができた、のだと思った。

そして、この熱い時間を共有できた。

これは参加しないと分からないことだ。

レース後、エンジンを下ろし、クラッチを見てもらう。

やはりベアリングは粉々に砕け散っていた。また、クラッチの中も、クラッチシューからスプリングが飛び出して、ベルを引っ掻いていた。

こうなったのは、やはりレース前の整備不足からだ。レースにタラレバはない。

息子に聞く。

「また出たいか?」

「うん。」

小さな闘志を漲らせる。

このフィールドでの挑戦は始まったばかり。

次回もチャレンジしたい。

metabonz宮