今年の我が家のテーマは前進(progress)である。
我々親子の競技ラジコンを一歩前に進ませるには、操縦技術の向上に並行して、コースに合わせたクルマを作れるセットアップ能力の向上が必要不可欠になる。
パパメカニック(ポンコツ)として、
今までは最後まで完走出来るクルマを作ることを最低限のラインとして心掛けてきたが、
これからはズバリ、「レースで(トップ集団と互角に)戦えるクルマ」を作れるようになりたい。
正確に言えば、コースの特性に合わせて、ドライバーの能力を発揮出来るクルマ作りが出来るようになりたいと思う。

過去の記事を読み返して思うのは、
今まではとにかく「習うより慣れろ」で、クルマのセットはほぼ固定。ドライバー側がコースに合わせて走らせることに重点を置いてきた。
ドライバーにもメカニックにもホーム以外の経験値が乏しいため、それしか術がなかったこともある。
せいぜいバネを変える、タイヤを変える、ダンパーオイルの番手を変える、車高を変える、くらいしか出来ることもなかった(それも充分セッティングだが)
成り行きだが、そうすることで結果的にはホームと違うコースを走らせた時の違和感や、変えたいところ、不足、過剰、それらをフィードバックする能力を養っていたように感じた。
最初は、
「なんか良く走らない。気持ち良くない」
とか
「なんか遅い」「曲がらない」
と言うレベルのフィードバックだった。

その間、メカニックである自分はどうしていたかと言えば、
遅く感じる原因、良く走らない原因、不具合探しに奔走。
セットうんぬんではなく、ちゃんと走れるクルマにすることが最優先。
とにかく壊れない、最後まで走れるクルマを作ることで精一杯だったように思う。
ネジの緩みやタイヤの剥がれ、ダンパーの抜け、パーツのつけ間違いなど、ピニオンのバックラッシュ、スリッパーの調整など、まずは当たり前のことが出来るまでに時間がかかっていたし、
モーター、ESCなどの電気的なトラブル(これが分かりづらい)経験を経て、少しずつ気付けたり、対処出来るようになっては来た。
もちろん、未だに抜けはある(ポンコツ返上はまだ遠い)
ちゃんと走らないクルマにセッティングもくそもない。
…
そして、時は流れ、中学生になってからの息子は、より頻繁に、そして的確にクルマに対する要望を出すようになって来た。
「プッシュアンダーが出る」
「フロントの接地感が薄い」
「リヤの旋回性を高めたい」
「あのジャンプの着地(踏切)で腹打ちする」
ピンポイントでの指摘。
それに対して対策を2人で考える。
ここも大きい。
ドライバーである息子が、ただ速く走らせれば良いと言う認識から、速く走れるクルマを求めるように意識が変わってきた。

重整備でなければ、同一バッテリーパック内でのテスト。
印象は一息入れただけで変わってしまうからだ。
自称ポンコツメカニックは、息子の指摘に応えていく形で、対処方法やセットを学んで行く。
もちろん、そこには GB崎山さんや、我らがAJ氏などエキスパートの方々の助けがあったし、
チームメイトのタイトパパ氏とも情報を頻繁に交換した。
「分からないことは聞け!」
と言う先達たちの金言も
何を聞けばよいか分からないと意味がない。
「◯◯だから、こうしたい。やり方を知りたい」
それを聞けて初めて前に進める。
今までもたくさんの方々に助けていただいて競技バギーを続けてこれた。
「ここをこうするともっと良くなるよ!」
クルマを調整していただいたりすることも沢山あった。
大変ありがたいことだ。
しかし、自分でそれを再現出来ることはあまり多くなかった。
本当のところを理解できていないからだ。(もちろん理解しようとはしたし、その場では分かった気でいた)
そのクルマに対するノウハウ一つとっても、分からないものは永遠にわからないまま。
欲しいのは上部だけ、の薄いウンチクじゃなく、ちゃんと使える知識だ。
分からないと先に進めない。だから、理解しようともがいてもがいて、初めてやっと少しだけ理解出来るようになる。
分かりたい!知りたい!と切実に思うかどうか。
重要なのは必要性、
そしてそれらの知識やノウハウを受け入れられるレベルに自分たちがあるか、がさらに重要であると痛感している。
…
もしかしたら効率が良い方法じゃなかったかもしれない。
ただ、間違いなく、我々は次の段階に進んでいる。
もちろん、気負いすぎず、楽しむことを忘れることなく行くつもりだ。
