コラム

【コラム】親子ラジコンの極意って何?【キッズレーサー】

ラジコンファンの皆さまこんにちは。

今日は我々ラジコン大好きパパ、あるいはママが、子どもと一緒に熱中する「親子ラジコン(レース活動)」のお話です。

最近、息子氏の為のバギーメンテや、サーキットに通う為の交渉(嫁予選)がちょっとばかりイヤになってしまったワタシ、パパ。

そのことについて、つい先日、息子さんが電動オフロード・バギーで全日本チャンピオンを獲ったハイパーメカニック・カイパさんに愚痴を聞いていただき、貴重なお話を聴かせてもらう機会がありました。

その時の話を少々。

パパのラジコン、になっていないか?

冒頭から耳の痛いハナシである。

多くの親子ラジコンに取り組むパパが落ち入りがちな罠が、コレだと言う。

なまじ、パパがちゃんと走れる人、マシンを組める人がなりやすいのだそうだ。

ぐんぐん速くなる息子、娘に、ついに敵わなくなったパパが夢を託すパターン。

「俺の夢を叶えるんだっ!!」

「俺の夢はお前の夢!!」

表向きは子どもの頑張りを見守るパパ(ママ)

でも、実は俺のラジコンを子どもに操縦させてるだけ、だと言う・・・

子どものレースに過剰に熱くなる親がまさにこれだ。

ミスをしたお子さんを強く叱ったり、レース展開に不審なことがあると言葉を荒らげて運営者に食ってかかる・・・

お子さんを自分の思い通りにしたい、と言う自分では気づいていない醜い欲望・・・

(もちろん、他の方に迷惑をかけたり、危険な行為を注意する等仕方ない時もある。ただ、大声での叱責はダメだ。子どもに恥をかかせるし、周りは嫌な気持ちになる。)

レースを続けていると、たまに出くわす。

そして自らを振り返りハッとする。

自分は、ウチは大丈夫だよな?、と。

何がいけないのか。

子どもはパパの為に走っているワケではない、という事実だ。

操縦台に上がれば1人のレーサーとして、たった1人で戦っている。

そんな時にミスを責められたら?

どうだろう?

子どものレースに熱くなって喚き散らすパパはカッコイイだろうか?

人としてどうだろうか?

子どもはそれを見てどう思うだろうか。

走っているのはパパじゃない。

・・・・

子どもは他人、別人格であるということ

当たり前のことだが、ことレースとなると自分と子どもを混同しがちである。

子どもには子どもの思いがあり、考えがある。

ただ、大人ほど上手く表現できないだけである。

大切なのは親子の対話なのだ。

自分の思いや意見を伝えるのは良いが、決して押しつけてはいけない。

子どもは言い聞かされているウチに親の考え=自分の考えだと錯覚してしまう。

子どもが何を考え、どうしたいのかを引き出してやること。

本当はパパが喜ぶから頑張っているのかもしれない。

本当はただ楽しいから走らせているだけかもしれない。

本当はそこまでレースをやりたいわけじゃないかもしれない。

また、逆に子どもが多少速いからと言って慢心を抱いて、大人を馬鹿にしているなら、きちんと諫めるのも大人の仕事である。

何度も言うが子どもは別人格であることを忘れてはならない。

間違っても自分の所有物ではない。

断じて、である。

大切なのは客観視できるか

最初は二人三脚でも良い。

しかし、ある時からは、少し離れた視点を持つことが必要になるとカイパ氏は言う。

そう考えれば、パパメカニックもやりやすくなるのではないか、と。

カイパ氏の話を伺って、整理していくうちに自分の頭も整理されて行くのがわかる。

親子だ!と強い絆、チーム意識を持つことは大切だが、時に邪魔にもなる。

レーサーである息子に良い走りをしてもらうために、メカニックとしてやれることをやる。

後はレーサーの仕事だ。

シンプルに考えれば、モヤモヤがかなり解消される気がした。

パパメカニックとは言いながら、自分の思いが前のめりになっていたのがもしれない。

・・・そう簡単に割り切れないからヤキモキするのだが(笑)

我が家はどうだ?

タミチャレでレース活動を始め、今はオフロードバギーをメインに活動している。

息子自身、最初はレース活動に前向きではなかった。

メカニックのワタシも、最初はレースと言うものをナメていたので、メンテやマシン造りに熱心になることはなかった。

勝てないのは息子の練習不足、経験不足なんだと思っていた。

パパ「もっと練習しなきゃだよ!」

息子「マシンが遅い!曲がらない!」

ある意味、パパがヒートアップすることはなかった。(がんばれー、と声援を送る感じ)

やがて息子が上達して行くと、ワタシのいい加減なマシン作りやメンテではダメになって来た。

また、周りの方からたくさんのアドバイスをいただくようになり、

イヤイヤだが、ラジコンのことを勉強し始めた。

正直、競技ラジコンのメカニズムには全く興味が持てなかったし、高い機材や工具にも関心がなかった。

それでも少しずつ、メンテやマシン造りに力を注ぐようになる。

息子が成績を残し始めたからである。

仕事終わり、疲れてフラフラの中のメンテ。

指先を真っ黒にしたまま寝てしまう・・・

みるみる減る貯金残高。

周りの期待に応えたい気持ちもあった。

そして、あれだけ入念にメンテ、セットしたんだから勝てるはず!と自分の勝手な思いを乗せていく。

勝てば自分のことの様に嬉しいし、負けたら悔しくて眠れない。

おやおや?ヒートアップしないのでは?

いつの間にか、息子のレースが自分のためのレースになっていた。

この頃からなんだかレース活動がキツく感じられるように。

嫁氏に対して、レース参加の許可を得るために奔走したり、パーツ、タイヤ代に頭を悩ませたり。

自分ばかりが一生懸命で馬鹿みたいだ、と燃え尽き症候群みたいになったのだと思う。

そこには、息子と相談しながら、対話しながら、が抜けていたかもしれない。もちろん嫁氏とも。

どうなりたい?どうしたい?

そんな話を良くする様になったのは割と最近である。

パパのラジコンと、息子のラジコンは別物

で、現在。

三年前、コロナ禍の中ラジコンに出会った頃を思い出したくなって、タミヤのバギーを買って、組み立て、走らせている。

息子の操るハイエンドバギーとは全く異なる、言葉は悪いがおもちゃ的なマシン。

しかし、これが理屈抜きに楽しい!

プラスチック製のダンパーが上手く組めてなくても、健気にサーキットを爆走する。

もっと手を掛けてやりたい!走らせたい!

自分のラジコン、ってコレなんだよな。

レースで勝ちたいとか、あんまり無いんだな、自分は。

・・・・

だから、今息子が頑張ってるラジコンは、彼自身のラジコンなのだ。

きっかけは、「あれ、うちの子なんか上手くない?」と言う親の欲目だったけども。

それに気づいたら、なんだか張り詰めていたものが解けた気がする。

もちろん、まだ彼自身にできることは少なく、多くをワタシがやらねばならない。

お金もかかる。時間もかかる。

しかし、彼はしっかり前を見つめ、何かを掴もうとしている。

まとめ

親子ラジコンの極意は何か。

子どもの夢なら協力は惜しまない。

しかし、自分の夢は押し付けない。

これに尽きる、とカイパ氏の話を、聞いて思った。

親子ラジコン、レース活動をして行く中でぶち当たった、なんかもうイヤだ、と言う気持ち。

競技ラジコンをやってるのはあくまで息子であって自分ではない。

そのことを認識した上で向き合い方を考えたい。

嫁氏にもパパが前のめりなのが分かるから良い顔をしないのかもしれない。

自分に言い聞かせる意味でも厳しめに書いてみた。

metabonz宮