「パパ、もう1人で大丈夫かも」
それは突然だった…
…
三連休。息子氏は何処かでラジコン(練習)したいらしい。
いつもなら、ワタシが
「何処行く?○○ならセット変えて準備しなくちゃならんな」
息子に先回りして提案するのが我が家のルーティン。(仕方ないなあとか言いながら、実はワタシが行かせたいパターンw)
しかし、今回は違った。

息子氏「CORC行きたいから連れて行って!置いてって夕方迎えに来てくれればいいから」
ワタシ「えっ!?良いけど大丈夫かな」
嫁氏「アンタはかまい過ぎなんよ。少しは放っておきなさいよ」
ワタシ「」
…
黙々とメンテを始める息子氏。
手際良くダンパーをバラし、オイルを換えて組み直す。
ノギスでダンパー長を測っている。
(ウンウン、教えた通りに出来てるな。いいぞ。最近、自分で何でもやるようにはなって来たなあとは思っていたけど、こんなに色々出来たっけ?!)
戸惑うワタシ。
認めたくはないものだな!

親子でレース活動をするようになって、早5年。
いつも一緒だったし、
ドライバーは君、ボクはメカニックだ!
役割分担は完璧だった。
…
彼自身は小学5年あたりから自分でタミヤを組み立てるようになって、ラジコンというモノへの造詣を深めてきた。

工具の使い方、メカ積み、バインド、プロポの設定、一つ一つ、聞かれたら教える、を繰り返してきた。
(ワタシ自身元々詳しいわけではなく、クルマ、自転車など機械モノは割と大丈夫なタイプ)
しかし、競技バギーを自分で弄ろうとはなかなかしなかった。
彼自身、タミヤとハイエンドバギーは同じラジコンながら別物という意識があったのか、はたまた、触るのが怖かったのか分からないが。
それが中学生になってから徐々に変わってきた。
B74.2CEを自分で組み上げたことを皮切りに
車高やアライメント、
ダンパーメンテなどなど自分で出来る事を増やしていった。
ワタシ自身は
「うむ。だいぶ楽になって来たぞ」
微笑ましくそれを眺めていた。
…
だがしかし、今回の
「1人で大丈夫」
という言葉に激しく動揺する自分に気づいてしまった。
「え、ワタシはもういらないってこと!?」
急に仕事を奪われてしまったような、胸にぽっかり穴が空いたかのような…
もしや、必要とされていない!?
本来なら喜ぶべき我が子の自立に寂しく思ってしまったワタシ。
認めたくはないが(笑)
初めての独り立ちラジコンは

この日のCORCは、世界戦の準備・調整にTEAM AJ加藤航輝選手とDK氏、奥様がいらしており、
ヒロキ少年(TEAM AJジュニア)を置いて行っても全然大丈夫な状況だった(笑)
(他にもTEAM KYOSHOの皆様もいらっしゃってました)
何という幸運!!
しかし、人見知りが激しいヒロキ。
ワタシ以外の人と上手く関わる事が出来るのか!?
そんな心配を他所に、ピット設営が終わると後ろ髪を引かれる思いでCORCを離れる。
…
ふと思う。
「この子は人見知りだから」
とか、親の余計な先回りが成長を妨げているのかも。
嫁氏も同じことを言っていた。
そしてさらに思う。
ワタシがヒロキについて行きたかったんだな、と。

夕方、所要を終えて再びCORCへ。
実にイキイキと楽しそうにしているヒロキ少年。
聞けば、色々壊したりトラブルはあったものの、自分でなんとかなったという。
なんと25パック以上走らせたそう。
この日、航輝選手は2週間後に迫る世界戦(オーストラリア・屋外ダート)の調整に来ていたため、
カーペットを走らせるヒロキとは一緒に走らせることはなかったが、
なんと最後にB84で一緒に走ってくれる約束をした、とヒロキがいう。
(ダートはB7で一緒に走らせたけど、路面が難しく、上手くグリップさせるまでに至らず。思うように走れなかったらしい。再チャレンジしたいとのこと)

航輝選手とCORCの超高速コースでのぶつかり稽古。
なかなかない機会である。
ヒロキ少年もこの日B84で自分なりに走り込み、手ごたえを掴んだという。さあ、どうなる?


モーターは両者6.5T。
ジェット戦闘機のようなノイズを上げて走る2台のB84
上手い!そして速い!
世界に通用する走りとはこういうものなのか!
突き放しても次のコーナーで追い詰められる…
僅か2パックではあったが、その速度域でしか体験できない走りの違いを見せつけられ、
めちゃくちゃ刺激を受けたヒロキ少年。
航輝選手、DKさん、ありがとうございました!
(お母様もマーシャルを沢山して頂きありがとうございました)
CORCオーナー様、お世話になりました!
まとめ

「もう1人で大丈夫かも」
ワタシと息子とのラジコンだったものが、
静かに息子のラジコンになった瞬間だった。
もちろんメカニック的にはまだまだなところもあるので、全て安心ではないが、
後は不足しているところを手助けするだけで良さそうだ。

ヒロキのラジコン独り立ちを記念したかどうかは不明だが、嫁氏がプリンを買ってくれた。
いつもの甘いプリンがちょっとほろ苦く感じたのは気のせいだろうか。